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メイキング・オブ・「シムカツ!」

date: 2014/08/19 19:00
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世界の”穏やかじゃない”シミュレーターを紹介する動画シリーズ「シムカツ!」も、当初予定していた1クール12+1話を投稿し終え、やりたかったことを一通りやりきったので、ここらでメイキングという名の感想を書き残しておきたいと思います。

取り上げたい作品もまだまだあるので、シリーズ自体は今後も続ける予定です。
13本を立て続けに作った今は燃え尽きている部分もあるので、少し間は開くかもしれませんが……。


「シムカツ!」メイキング

背景

遡ること1年半ほど前、2012年末にJ氏からプレゼントされた「Agricultural Simulator 2011」をプレイしたのが、自分とUIGとの出合いでした。
もうとにかく最悪な印象で、たった7分でプレイを中断し、即アンインストールしてしまいました。

その後2014年に入り、Bundle Starsで販売されたシミュレーターバンドルでUIGと運命の再会。
「今度こそは途中で諦めずに、何かを成し遂げるまでプレイしてみよう!」と意気込んで何本か挑戦してみるものの、その度に心を折られて帰ってくるということを繰り返す日々でした。
そういった様子をMumbleやTwitterで話したところ意外にもウケが良くて、「そっかこれを動画にしたら面白いかもなぁ」と思い始めました。
同時に「いやいや話を聞くのと実際にやるのとでは大違いなのだよ。そうやって笑っている君に、この絶望をおすそ分けしてやろう」という意地悪な気持ちも少しありましたが。

折りしも現在は、「Goat Simulator」の人気により「シミュレーター」というジャンルが(良くも悪くも色々な意味で)注目されている時期であり、その辺の歴史的な流れの解説も含めたエンターテインメント性の強い動画を作ろうと考えたのです。

シミュレーターの歴史

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以下は独自研究なので、正確さに欠く部分があるかもしれません……。

元々シミュレーターといえば、「Flight Simulator」や「Train Simulator」などに代表されるコアなジャンルでした。
そこからゲームとして成立するようにバランス調整がなされた「Farming Simulator」が登場し、ささやかながらもブームとなりました。
現実の模擬のみを目的としたシミュレーターが、娯楽としての幅を得たのです。

この流れに便乗する形でUIGなどから似たような、いわゆるお仕事系シムが数多く出されました。
しかしそのいずれもがガバガバな物理演算と酷い挙動により軒並み低評価を付けられています。
「シムカツ!」で一番多く取り上げたのは、このラインです。

そしてこれを逆手に取って作られたのが、「Surgeon Simulator」(2013年)と「Goat Simulator」(2014年)です。
奇妙な物理法則に支配された3D空間で作業を行う、その不自由さにゲーム性を見出し、「シミュレーター」と称してみせた皮肉。
ゲームジャムのセッションから生まれたという出自はコミュニティーからのウケも良く、嫌味のある作品でありながら嫌味なく受け入れられています。

そしてこの流れは現在、もはやシミュレーターともゲームとも呼べない作品を生み出そうとしているのです。

「シムカツ!」初期の構想

過去の経験上、1話目から面白くないと継続視聴してもらえないので、最初は特に気合をいれました。
その1話目を作る時点で4話までの台本が出来上がっていましたが、各話がそれぞれ「起・承・転・結」にあたるように意識して作りました。
取り上げる作品はあらかじめ10本ほどピックアップしていましたが、6話目以降の順番はその都度考えています。

ちなみに1クール目を作るに当たっては、以下のルールを設けていました。

  • タイトルにSimulatorと入ってる作品を取り上げる
  • 一人称あるいは三人称の3D体験型の作品を取り上げる
  • 基本的には1話につき1作品、1話完結にする
演出

これまで自分の動画(例えばマイクラどうでしょうや上福岡シリーズなど)は、自分達のゲームプレイを視聴者側へ伝えるのに終始していました。
あるいは、「一方的に押し付ける形式」と言ったほうが正確でしょうか。
主に既プレイヤーに向けていて、ゲーム自体の説明は最小限にとどめていました。

しかし今回は、シミュレーターをはじめとする、PCゲームにあまり詳しくない人に向けて作っています。
特に、中学生から大学生くらいの層がメインターゲットです。
「ここまで自分にはオッサンファンしかおらんかったから、JC・JKあたりのキャピキャピしたティーンに持て囃されたかったんや……」というのも多分に本音ではありますが、シミュレーター特有の(ゲームとしてはありえないような)不条理さ・作業感というものが、「若い層にこそ新鮮に映るのではないか? 面白いと思ってもらえるのでは?」という意図があります。

個人的にはかなり媚びた作りにしました。これ以上は恥ずかしくて無理ってくらいまで。
未プレイの人に対する丁寧な説明を入れ、笑いどころを強調し、全体的にわかりやすく作っています。
視聴者の共感を引き出す演出、現代的な動画作りを意識しています。

このシリーズではもうひとつ、「UIGをみんなに知って欲しい」という狙いがあります。
1クール目では1~4・6・11~13話の計8本がUIG作品なわけですが、最初のうちは「UIG? 何それ?」と言っていた人が回を増すごとに「またUIGかよー」となり、後半には「UIG様ありがたや~」となるような演出も加えています。

UIGとシミュレーターのパブリッシャー

UIG、正式名称はUnited Independent Entertainment GmbH。
ドイツ・ミュンヘンにオフィスを持つ、取り扱い作品の大半がシミュレーターというパブリッシャーです。

Steamなどのデジタル・ディストリビューション・サービスが普及した今でこそ、ゲームの開発と販売流通を自社あるいは個人で行う「インディー」という形は一般的になりましたが、シミュレーターというジャンルではいまだ習慣的にパッケージ販売(物理媒体)の割合が多く、販売対象となる国ごとにパブリッシャーや代理店を付けるのが主流です。
それゆえに、同じ内容であっても国(つまりパブリッシャー)ごとに名前が異なるのはザラで、さらにそのパブリッシャーがデジタル販売サイトへ登録しちゃうものだから、開発元の名前を確認しにくいなど、事情がどんどん複雑になっていきます。

「アイカツ!」というギミック

個人的に「アイカツ!」というアニメーションが好きで、ギミックとして動画に活かせないかと常々考えていました。
劇中に登場する以下の要素(ネタ)は汎用性が高いこともあって、「アイカツ!」自体を見たことがない人でも違和感なく受け入れられたのではないでしょうか?

  • アイドルが伐採をする → WoodcutterやTreeloadedとの親和性の高さ
  • 「アイ! カツ!」という掛け声 → 「シム! カツ!」へ転用
  • 「穏やかじゃない」という便利な言葉
  • 「こんなものなの?!」という煽り → 恒例のオチに

「穏やかじゃない」という表現は、ポジティブな事柄にもネガティブな事柄にも使える便利な言葉です。
であるがゆえに、面白い作品もそうでない作品も、笑えないことが逆に笑えるような要素も、すべてひっくるめて「穏やかじゃない」という一語に繋げられます。
このキャッチフレーズが「シムカツ!」シリーズの共通項となっているわけです。

冒頭の「2万4千人」という数字は、日本におけるシミュレーターファン人口を予想したものではありません。
これは実はアイカツアニメ公式Twitterのフォロワー数(当時)から来ています。
また、個人的に設定した目標再生数でもあります。

「シムカツおじさん」というキャラクターは、当然「アイカツおじさん」(DCDアイカツをプレイする男性)というネットミームから来ているわけですが、この名前は動画を作る以前から使っていて個人的にすごく気に入っていました。

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