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PLAYISMにて日本語版「TRAUMA」配信開始、PWYW方式で100円から

date: 2012/02/11 21:41 | update: 2012/02/18 16:10
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海外のインディーズゲームを日本で積極的に販売している「PLAYISM」にて、アドベンチャーゲーム「TRAUMA」がリリースされました。価格は自分で好きな金額を選ぶPay-What-You-Want(PWYW)方式になっていて、最低金額である100円以上で購入できます。
PLAYISMはインディーズゲーム(大抵は英語のみ)の日本語データを制作するなど、コミュニティーとしての貢献も注目されているサイトで、本作「TRAUMA」でも日本語が選択可能になっています。

今回、そのPLAYISMから報道関係者向けのプレスリリースとクーポンコードをいただきました。
ご覧の通り、MF2dlogはニュースサイトではなくゲームコミュニティーのメンバーによる個人ブログなので、大して興味のないゲームだったらスルーするところでしたが、一個人のインディーズゲームファンとして「TRAUMA」を結構気に入っているので、こうして紹介できることを嬉しく思っています。


「雰囲気ゲー」が好きなら、「TRAUMA」は買い

このサイトではよく、「雰囲気」のあるゲーム(雰囲気ゲー)という言葉を使いますが、「TRAUMA」はまさにそれです。
最近取り上げたものとしては「Dinner Date」や「The Cat and the Coup」でも似たようなことを言っていたので「ネタゲーム」として捉えられてしまうかもしれませんが、それらに比べればしっかりと「ゲーム」として成り立っています。

TRAUMAは、交通事故にあった女性の夢の中(のような場所)をさまよう実写のアドベンチャーゲームで、画面をクリックすることで隣接する空間を行き来します。
クリアするだけならば、特定の場所で特定のマウスジェスチャーを入力(マウスをクリックしたまま光の線を描く)すればいいのですが、画面内には「ポラロイド写真」が隠されていて、彼女の過去や両親のことなどを断片的に知ることができます。
壮大なストーリーがあるわけでも、美麗なグラフィックがあるわけでもありませんが、文学・芸術作品的な良い”雰囲気”があるゲームです。考察厨な方にもオススメ。

PLAYISM版ではオプションから日本語を選択することが可能で、彼女の心の声や会話に日本語字幕が表示されます。

最後に「PLAYISM」というサイトについて

「Minecraft」や「LIMBO」など一大ブームとなった作品が出てきて、日本でも「インディーズゲーム」という言葉が少しずつ広まってきました。
ただ海外の素晴らしいインディーゲーをプレイするには、しばしば購入方法と言語が問題になってしまいます。決済方法はほぼ例外なくクレジットカードのみなのでカードを持っていない人は購入不可能であり、ストーリーを楽しむゲームの場合は語学力が必須です。
「もっと多くの人に、面白いインディーゲーを自分でプレイして欲しい」という考えから、MF2dlogでも記事や動画として紹介してきましたが、そういう部分がネックになっているのを残念に思っていました。「カードないから買えないよー」とか「英語わかんないしプレイ動画見るだけでいいわ」とか……。

その点について今回紹介したPLAYISMでは、Bit CashやWebMoneyにも対応しているようですし日本語化も積極的に行われていて、日本におけるインディーズゲーム流行の一因になってくれるのではないかと期待しています。
価格設定ですが、Steamなどで9.99ドルのゲームはPLAYISMでは980円で販売されています。また、TRAUMAのようにPWYW方式を採用して低価格から購入することが可能なタイトルもあります。
円高である現状を考えれば数百円ほど割高に感じるかもしれませんが、「完全日本語版」と冠しただけで定価10ドルのZombie Driverを3,990円、定価30ドルのMount & Blade: Warbandを8,190円(その後価格改定で2,980円)で販売していたサイバーフロントと比べれば、これがどれだけ良心的な価格かおわかりいただけるでしょう。

個人的に好ましく思ったのはSpacechemの一件です。
PLAYISMで無料配信されているSpacechemデモ版には実は日本語データが含まれていて、「これを自分が持っているSpacechemフォルダにコピーすれば製品版でも日本語でプレイできる」という情報が出回ったことがありました。
時間と労力をかけて日本語データを作成したPLAYISMとしては、自分に利益が入らない形で成果物を掠め取られて当然面白くない話だったはずですが、なんとそれを禁止せずに残したのです。
普通の企業ならば、デモ版の配信を停止するか日本語データを抜いて「日本語版をプレイしたければ、ウチのサイトから買ってね!」という独占的な対応をしたはずなのに……。

権利関係の話が難しいというのは、Modern Warfareシリーズをはじめとする問題(いわゆる「おま国」)でも広く知られていることでしょう。Activision・スクエニ・Steam(Valve)のうちの誰が本当の犯人なのかいまだにわからないですが、日本のユーザーが不便な思いをし続けているのは事実です。
もちろん、日本語訳したテキストの権利がSpacechem製作者側にあるのかPLAYISM側にあるのかわからないので一概には言えませんが、本件へのPLAYISMの対応は「自分の権利を主張するだけではなく、ユーザーのためになる対応をすることが、結果的に全体の利益に繋がる」という判断だったのではないでしょうか。
(後にSpacechemはアップデートにより、Steam版でも日本語データが提供されました)

海外では「インディーズゲーム」と呼ばれているこのカテゴリーですが、日本では「同人ゲーム」がこれに該当するでしょう。しかし日本では儲け主義に対する批判を恐れて、無料で提供しているケースがあるように感じます(もちろん無料提供の理由は他にもあるのでしょうが)。
インディーズゲームの知名度向上や、今回のPLAYISMの活動などを通して、「面白いゲームには、一般・同人を問わずにお金を払ってプレイする」という健全な文化や意識が、日本のデベロッパーとユーザーコミュニティーの双方に定着することを期待しています。

あと、PLAYISM公式Twitterはやけに馴れ馴れしいのですが、「PLAYISMさんの中の人はフレンドリーなのだ」というように好意的に解釈しましょう!
頑張れPLAYISM!

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