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ハトポポコ「平成生まれ」1巻感想、萌え4コマでシュールだなんて

date: 2012/01/24 19:59
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平成生まれ (1) (まんがタイムKRコミックス)

そんな馬鹿な、このマンガ、ネタで勝負しようとしている……。

――と、本来なら当たり前のことに驚いてしまうのは、その掲載誌が萌え4コマの総本山「まんがタイムきらら」の姉妹誌である「-キャラット」であるから。
端的に言うと「萌え4コマ」マンガとは、ネタやオチの面白さよりもキャラや設定を楽しむものです。
具体的には、「なずな小動物系カワイイ」「憂ちゃん良く出来た子カワイイ」「ユー子88・56・87カワイイ」……等々、そういう”記号”に特化したジャンル。

ハトポポコ先生の「平成生まれ」は、そんな中で異彩を放つ「シュール」マンガなのです。


きらら系に限った話ではないのですが、「女子高生のゆるい日常を描いておけばそれなりに当たるやろ」的な打算があからさまに見えている作品が最近特に多い気がします。
部活動とか一人暮らしとかアルバイトとか、それぞれの作品でオリジナリティーを出そうとはしているものの、結局のところそれって、例えば「目玉焼きに、塩コショウかけるかケチャップかけるかソースかけるか」くらいの違いしかないわけですよ。
しかし「平成生まれ」は、みんなが目玉焼きを食べている中で、「あ、俺は生卵丸飲みで」と言っているような、「コイツヤバイ、絶対ヤバイ」という何かを感じさせてくれます。

正直に言えば、面白くないネタも多いです。
しかしそれは無為にコマ数を費やしているのではなく、面白いネタへの前振りとしてボディーブローのように笑いを蓄積していたり、あるいは「これが平成の世に育った現代ッ子のギャグセンスか……」と表題に思いを馳せたりさせられるのです。
シュールであるがゆえに、結局すべてのネタは面白い方向へうまく誘導されている印象です。
このタイトルの「顔」とも言うべきビッグなネタ(あるいは名言)が出てくればば、さらに人気や知名度が上がる気がします。
ちなみに個人的には、42ページと75ページのネタが好きです。

もちろん、シュール要素が前面に出てきているとはいえ、キャラクター性がないわけではありません。そういうキャラ萌え的な読み方でも十分に楽しめます。
特に中川さん、関西弁カワイイ。原田さんとの絡みもいい。四村さんもクールなのにブラコンてのがいい。
ただ佐藤だけは……。

余談ですが、装丁のデザイン(青と白の対比)がすごく素敵だったので巻末を見たら、「よつばと!」などでお馴染みの里見英樹さんが手がけられているようです。そうだった、キルミーベイベーやAチャンネルの装丁も確か氏の仕事だったはず。何それ羨ましい。

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