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倉田嘘「百合男子」1巻の元ネタと解説まとめ

date: 2011/09/27 18:00 | update: 2011/11/14 10:28
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百合男子 1巻 (IDコミックス 百合姫コミックス)

3週間ほど前に感想を書いた「百合男子」はもうお読みになりましたか?
読んだ? 当然読んだよね? これから少しネタバレを書くので、まだ読んでいない人は今すぐに買って読んでから戻ってきてください。

さて、百合男子には「百合作品ネタ」がかなり盛り込まれています。
個人的にはこの本をきっかけにして他の作品(や派閥)にも興味を持ってもらえると嬉しいですし、おそらく作者の倉田嘘先生もそういう意図で描いているのでしょう。そこで本編に出てくる百合の「元ネタ」を、自分がわかる範囲でまとめてみることにしました。

間違いや見落としがあれば、コメント欄に書き込んでいただけると助かります。


「百合男子」1巻の元ネタと解説まとめ

男子禁制!! (p5)
2010年までに発行されていた「(旧)コミック百合姫」の、表紙上部に書かれていた文言。
ちなみに、「(旧)コミック百合姫S」には同じ位置に「男子禁制!?」と書かれていた(Sはどちらかというと男性読者が多かったため、少しは拒絶感を弱くする配慮だと考えられる)。
再誕百合姫 (p9)
コミック百合姫 2011年 01月号 [雑誌] コミック百合姫」は、前述の本誌とSが統合して2011年1月号から新装刊となった。ゆえに「再誕」という表現が使われている。
ただしこのページに「表」として描かれているのは本誌ではなく、Sの2010年秋号である。
ちなみに、旧百合姫創刊号の裏表紙は「LOVELESS(一般的にはBLとして認知されている作品)」だった。
森島明子 / 藤枝雅 / 藤生 (p10)
百合姫に掲載されている漫画の作者名。
京子×結衣 (p10)
ゆるゆり 1 (IDコミックス 百合姫コミックス) 漫画「ゆるゆりなもり・一迅社)」に登場するキャラクターの名前。
この2人はメインキャラクターであるため登場回数が多く、このカップリングは王道である。それゆえに「単純だけど」という啓介の言葉に繋がる。
ちなみに、百合姫2011年1月号に掲載された分は、ゆるゆり5巻に収録されている。
りっちぃ (p11)
百合姫の編集長、中村成太郎氏のこと。
また氏は、百合男子の担当編集者でもある。
快楽天使コミック (p12)
18禁雑誌「COMIC快楽天(ワニマガジン社)」のことと思われる。
しかしこれを妹に読ませちゃいかんだろ……。
タイが曲がっていてよ (p14)
マリア様がみてる (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫) 小説「マリア様がみてる(今野緒雪 / 集英社)」の有名な一節から。
アニメ化もされ、近年の百合ブームの火付け役と言える作品。
百合姫ワイルドローズ (p15)
百合姫Wildrose (IDコミックス 百合姫コミックス) 漫画「百合姫Wildrose(アンソロジー・一迅社)」のこと。
メインテーマが百合であることはもちろん、全編にラブシーンがある。
花寺 (p17)
「マリア様がみてる」の主人公の弟、福沢祐麒が通う「花寺学院」から。
百合男子である自身の存在に悩む主人公の名前が、男子校から名づけられるとは何という皮肉か。
なお、百合男子の登場人物名は、百合作品に登場する学校名に由来する。
藤ヶ谷 (p17)
青い花 1巻 (F×COMICS) 漫画「青い花志村貴子 / 大田出版)」の主人公、奥平あきらが通う「藤が谷女学院」から。
宮鳥 (p18)
市護女子(いちご→ストロベリー)から類推すると、小説「Strawberry Panic!(メディアワークス)」の「聖ミアトル女学園」からか?
松岡 (p33)
「青い花」のもう一人の主人公、万城目ふみが通う「松岡女子高等学校」から。
百合男子本編では前述の「藤ヶ谷(藤が谷)」とセットで採用されたことに深い意味があるように感じられる。今後の2人の関係性に期待。
少女セクトのTシャツ (p35)
少女セクト (メガストアコミックス) 漫画「少女セクト(玄鉄絢 / コアマガジン)」の、OVAの限定版特典であるTシャツ。
p34のクレジットがなければ見落としていたところである。
ささめきこと (p47)
ささめきこと 1 (MFコミックス アライブシリーズ) 漫画「ささめきこと(いけだたかし / メディアファクトリー)」のこと。
ウルトラマンのお面のくだりは確かに切ない……。
ちなみにここで言及されている対談は、百合姫Sの第11号に収録されている。
百合姉妹 (p52)
雑誌「百合姉妹(マガジン・マガジン)」のこと。
事実上、コミック百合姫の前身と言える雑誌である。
梅枝 (p71)
「ささめきこと」に登場する、「梅枝(うめがえ)高校」のこと。
天の妃(雨乃妃) (p71)
漫画「まりあ†ほりっく(遠藤海成 / メディアファクトリー)」に登場する、「天の妃女学院」のこと。
登場人物の宮前かなこは百合趣味(本人は”百合乙女”と自称)であり、衹堂鞠也は女装男子であるのでまさにピッタリなネーミングである。
ただし百合男子本編においては、吹き出し(天の妃)とネームプレート(雨乃妃)で表記ゆれが発生している(誤植だと思われる)。
わぁい! (p81)
わぁい! vol.1 雑誌「わぁい!(一迅社)」のこと。
いわゆる「男の娘(おとこのこ)」ものである。
オンナノコになりたい! (p81)
オンナノコになりたい! 「オンナノコになりたい!(一迅社)」のこと。
女装の仕方などが解説されている、らしい……。
処女はお姉さまに恋してる (p93)
18禁ゲーム「処女はお姉さまに恋してる(キャラメルBOX)」のこと。
主人公の宮小路瑞穂は女装男子であるため、百合がメインの作品ではない。
かしまし (p93)
漫画「かしまし(あかほりさとる・桂遊生丸 / メディアワークス)」のこと。
主人公の大佛はずむは物語中に事故で男性から女性に性転換するため(TSF)、外見上は百合であるが精神的には百合ではない。
ARIAにおいてアリシアさんが (p93)
漫画「ARIA(天野こずえ / マックガーデン)」の登場人物、アリシア・フローレンスのこと。
ラストに結婚・引退したことで、俗に言う処女厨を発狂させることとなった。
並べられた薄い本の陳列は乱さないように 配られるペーパーは翻らせないように ゆっくり楽しむのがここでのたしなみ (p101)
「マリア様がみてる」の一節、「スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ」のパロディ。
青の花束 (p101)
「青い花」の同人誌(架空のものと思われる)。
表紙は万城目ふみと奥平あきら。
つぼみ / ひらり、 (p103)
つぼみ VOL.14 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ) ピュア百合アンソロジー ひらり、 Vol.4 雑誌「つぼみ(芳文社)」と「ひらり、(新書館)」のこと。
どちらも百合姫と同じ「百合アンソロジー」コミック雑誌である。
ほむまど (p107)
魔法少女まどか☆マギカ 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray] アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の登場人物、暁美ほむらと鹿目まどかのカップリングのこと。
けいおん! (p107, 116)
けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス) 漫画「けいおん!(かきふらい / 芳文社)」のこと。
ボカロ (p107)
音声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」の略称。
またここでは特に、クリプトン・フューチャー・メディア製品のパッケージキャラクター(初音ミクなど)のことを指している。
戦国RASETSU / テニスの王様 / タートル&バニー (p109)
それぞれ、ゲーム「戦国BASARA(カプコン)」、漫画「テニスの王子様(許斐剛 / 集英社)」、アニメ「TIGER & BUNNY」から。
どの作品もBL的要素があり、女性人気が高い。
はずかしくないもん! (p110)
アニメ「ストライクウィッチーズ」の同人誌(架空のものと思われる)。
表紙はエイラ・イルマタル・ユーティライネンとサーニャ・V・リトヴャク(エイラーニャ)。
おねえさまへ (p110)
「マリア様がみてる」の同人誌(架空のものと思われる)。
表紙は小笠原祥子と福沢祐巳。
生徒会長が見てる (p110)
アニメ「舞-HiME」の同人誌(架空のものと思われる)。タイトルは「マリア様がみてる」のパロディ。
表紙は藤乃静留と玖我なつき。
魔法少女マジカル☆ほむほむ (p110)
「魔法少女まどか☆マギカ」の同人誌(架空のものと思われる)。
表紙は暁美ほむらと鹿目まどか(ほむまど)。
鎌倉 (p116)
「青い花」の舞台、神奈川県「鎌倉市」から。
Feel Young系 (p116)
女性向け雑誌「Feel Young(祥伝社)」のこと。
最近では「うさぎドロップ」が有名。
武蔵野 (p116)
「マリア様がみてる」の舞台モデルとなった、東京都「武蔵野市」から。
桜ヶ丘 (p116)
「けいおん!」に登場する、「桜ヶ丘高校」から。
籠目 (p116)
「少女セクト」に登場する、「籠目女子学校」から。
きらら (p118)
まんがタイムきらら 2011年 09月号 [雑誌] 4コマ誌「まんがタイムきらら(芳文社)」のこと。
いわゆる「萌え4コマ」の草分け的存在であり、きらら・きららMAX・きららCarat・きららフォワードと姉妹紙も多い(※きららフォワードは4コマ誌ではない)。
最近では「けいおん!」「ひだまりスケッチ」「Aチャンネル」などが有名で、明確な(ガチ)百合作品ではないものの、その要素を含むことでファンに百合妄想の余地を与えている。
電撃系 (p118)
雑誌「電撃大王(メディアワークス)」と「電撃萌王(同)」のことを指すと思われる。
オクターヴ (p120)
漫画「オクターヴ(秋山はる / 講談社)」のこと。
※読んでいないのでわかりません!
律×澪 (p120)
「けいおん!」の登場人物、田井中律と秋山澪のカップリングのこと。
歳納京子の驚愕 (p131)
「ゆるゆり」の同人誌(架空のものと思われる)。タイトルは「涼宮ハルヒの驚愕」のパロディ。
表紙は歳納京子と船見結衣(京子×結衣)。

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1 response

ray /#1880

date: 2011/11/23 22:54:31

同人誌の「おねえさまへ」という題名は池田理代子の「おにいさまへ…」が元ネタかなと思います。
マリみてと同じ女子校ソロリティ物の古典ですし。一応古典百合漫画として評価されてます。
時代性もあってか結末は色々と百合的に微妙ですが。

あと、feel young系というと百合的には「LOVE MY LIFE」等のやまじえびね作品を思い浮かべました。
もっとも、百合というよりはレズビアン物という分類になるかもしれませんが。
オクターヴを絶賛する鎌倉の嗜好からすると、その辺を指して言っていると思います。