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date: 2009/10/24 17:45 | update: 2010/04/10 19:09
| category: その他のゲーム
Coppolaさんのブログで取り上げられていた「World of Goo」の「Pay-What-You-Want」キャンペーンの結果がとても面白かったので、自分でも少し調べてみました。
「World of Goo」は、2D Boyが製作した、Gooと呼ばれる球状のキャラクター同士を繋いでいきゴールを目指す(ゲーム内の)物理法則を利用した2Dパズルゲームです。
ポインティングデバイスとワンボタンだけで全ての操作が可能で、PCとWiiにおいてダウンロード販売がされています(なお、Wii版は日本語化されていて、「グーの惑星」というタイトルになっています)
「World of Goo」はその独自の世界観と操作性で、第9回GDCAのベストダウンロードゲーム部門の受賞やIGFの最終選考に残るなど高く評価されています。
インディーズゲーム(独立開発会社製のゲーム)としては「19.99ドル」という価格設定は高い方ですが、グラフィックデザインと音楽の完成度が非常に高くて、実際にプレイしてみてもこの価格に見合うだけの価値があったと自信を持って人にオススメできる作品でした。
メインの開発者がたった2人ということも驚きです(もっとも、海外のインディーズゲームにおいて開発者が少人数であることは、さほど珍しくないようですが)
実はこのゲームは、そのゲーム性だけではなくて販売方法の面でも驚くべき方針を打ち立てていることでも有名です。
「Region Free」と「DRM Free」……つまり、世界中どこでもプレイできるしコピー対策もありません。
これは「不正コピーを防いでも正規購入者はあまり増えない」という理由からだそうですが、残念なことに90%が不正コピーという結果が出ています。
そんな「World of Goo」ですが、発売一周年を記念して「Pay-What-You-Want」というセールを今月25日まで開催しています。
これは「World of Goo」の価格を自由に決めることができるというもので、1セントだろうと100万ドルだろうと好きな額で購入できます(公式サイトからの購入のみで、方法はPaypalのようです)
このセールの19日までの結果は(当然と言うべきか)1セントで買う人が最も多く、平均は2.03ドルと定価の10分の1程度となっています。
この記事のタイトルについて、「Pay-What-You-Want」をあえて「1セントから買えるセール」と訳したのはこの結果のせいです。
興味深いのは5ドルと10ドルの購入者が多くなっている点です。
一時期SteamやDirect2Driveで「World of Goo」の5ドルセールを行っていたことや、他のインディーズゲーム(またはカジュアルゲーム)が10ドル程度の価格設定が多いことから、20ドルのゲームに対して「これがもし普通のセールだったら、このあたりが適当な価格だ」と考えている人も多いのかもしれません。
実際、購入者アンケートの項目3「How much do you think this game should cost normally?(このゲームはいくらで売るのが妥当ですか?)」という質問には10ドルが一番多く、ついで15ドル・20ドルとなっています。一方で「タダにすべきだ!」という無茶苦茶な人の数は少なく、ゲーム自体がとても評価されていることが伺えます。
このセールによる実験結果をどのように活かすかについては、なかなか難しいところだと思いますが、インディーズゲームの製作者的には興味深いデータのはずです。
一連の「World of Goo」のニュースを見ていて「ユニークで面白いし、正規ユーザーとしては面倒なDRMの制限がなくてありがたい」と思う反面、「これは開発者の少ないインディーズゲームだからこそ取れる方針であり、数年・数億円単位の開発をしてきた大型ゲームでは到底無理だろう」とも思いました。
PCに触り始めた学生時代では、PCゲームといえばネットから簡単にダウンロードできる「フリーゲーム」がほとんどで、「ゲームを買う」ということはすなわち PS2などの家庭用ゲーム機の「ゲームパッケージ」を買うことを指していました。ゲームを買っていたというよりは、「ディスク」や「メモリ」などの記憶媒体を買っている感覚の方が強かったかもしれません。
実際、今の日本のゲーマー(特に昔からの家庭用ゲーム機ユーザー)にはこの感覚の人が多いでしょうし、Wiiウェア・XBLA・PSN及びPSP Goなど「ゲームデータという無形のもの」を買うダウンロード販売方式にいまだに抵抗がある人もいるでしょう。
この記事で取り上げたセールを見て、「やった、たった1セントで買える!」と思いましたか? それとも「ゲームなんて無料じゃなきゃ絶対にプレイしない。1セントすら出さないぞ!」とか、逆に「以前からこの定価では安すぎだと思ったから、開発者に敬意を表して50ドルで買おう」と思ったでしょうか?
どの感想を持ったにせよ、それがあなたの「ゲーム全体」に対する評価や意識なのだと思います。
世の中には確かに「無料だけど面白い」ゲームというものもあるでしょう。
ただ「無料だけど」という但し書きにこだわりすぎるあまり、「有料なだけあってもっと面白い」ゲームを見逃すのはもったいないことです。
今回の「Pay-What-You-Want」セールは、「それがディスクであれメモリであれ、もしくはただのデータであったとしても、良いゲームは相応の価格で買う」という常識を改めて確認する、またはそのように認識を改める良い機会になるのではないでしょうか。
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